ファタモルガーナの館

この間ぶりです。相変わらずツイッターばかりのるっぴぃです。

……えぇ、またなんだ。またやられたんだ……。くっそぉぉ……。
というわけで前回に続いてノベクタクルさまの『ファタモルガーナの館』の感想になります。
ところでこのゲーム、同人ゲーなんですよ。2章までの体験版ならあるんですけど……。
できればこれ。プレイするなら最後までプレイしてほしいなと思います。何よりヤコポとミシェル、モルガーナの三人に会えないのは辛すぎるだろ……。
というわけで軽く紹介。

「あなた」は気づけば、古ぼけた屋敷にいた。
目の前には、「あなた」を旦那様と慕う、翡翠の目をした女中がいる。
しかし「あなた」には記憶がなく、自分が何者かわからない。
生きているのかさえも。
そんな「あなた」に、女中は屋敷で起きた数々の悲劇を見せるという。
そこに、「あなた」の痕跡があるかもしれない……。


住んだものが呪われるという不気味な館と、そこに住むという呪われた魔女の噂。不気味な女中と、そして白い髪と白い肌、赤い瞳を持つ不思議な少女。
彼らはまるで吸い寄せられるかのように集まり、そしてそこに居合わせたものを悲劇へと導いていく……。

とまぁこんな感じ。もうちょっと詳細なのが上のHPで紹介されているので読んでみてくださいな。
ちなみに総プレイ時間は20時間前後。本編8章・ED8+α・プロローグ・2周目要素(これだけまだやってない)と盛りだくさんです。
というわけで感想を……。
いつものごとくMore以下です。どうぞ。








































というわけで感想書くよ。

全編を通して軽く。

これ、初めはかなり前に知ってたんです。面白そうだなと思って、でも同人だからと遠ざけてました。
いや、面白かった。
近親愛と愛する少女の間で悩む青年、殺戮衝動と愛の間で揺れる男、愛する妻と昔からの親友のどちらを信じるべきか悩む男。彼らの物語だけでも十分楽しめます。
もちろん白い髪の少女は可愛いし、数々の設定も雰囲気があって楽しめます。
でも本当の物語は後半なんだ。
4章以降の物語は、「あなた」と女中、館とそこに住まう魔女の真実に迫る物語です。単体ではただの悲劇だった3章までですら、それ以降を通してみると違った色を見せてくれます。
違った色を見せてくれるのはそれだけではありません。進めるたびに、景色がガラッと変わるという体験を何度もしました。
その伏線の張り方のすごさだけでも、読んで損はないですよ本当……。

雑感!

ヤコポざまああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!
えぇ、盛大に笑い飛ばしてやりたい。彼が出てくるのは3章以降、体験版では出てきてすらくれない(と思う)彼ですが、主役3人を除いてもっともいいキャラクターでした。笑い飛ばしてあげたい。
主役三人のうち、某夫婦に言うことはありません。爆発しろ。ミシェルが格好良くなっていく様子がすごく気持ちよかった。
最後の一人はすごく可愛いです。まぁツイッター見てみれば名前はわかってしまうので言っちゃうと、モルガーナ。正直あれがメインヒロインでしょう。モルガーナ可愛い。特に舞台裏。可愛い。可愛いよ。
ちなみに1章章末のネリーのアレ、私ならあれは抱ける。すごくそそられました。身近にいてほしくはないけど、愛したい。
2章の彼らは……、正直感想という感想がないんだよなぁ。近づきたくない。全編通じて可愛い白い髪の少女を除いてな。
3章はヤコポざまぁしかない。
7章の兄妹の誓いは好きです。ああいうシーンに弱くてだめだね。
最終章のあれは、ヤンデレクラスタだとどう思われるかわからないですけど、個人的にはすごく好きです。バッドエンドもいいけど、バッド多すぎるから一つぐらい幸せなのがあってもいいじゃない! って思ってます。

そんなわけで各章紹介。
5章以降はネタバレ激しいのでかなりスペースとってます。読みたい人だけどうぞ。


The first door

過度の兄妹愛を抱くネリーと、優しげな少年メル。
何一つ不自由ない彼らの屋敷に、ある日襤褸を着た白い髪の少女が訪れ、そして女中になった。
メルはやがて彼女に惹かれていき――。


体験版でも読める第一話。
どこまでも歪んだ兄妹愛が楽しめる一篇。
ええ、これ2,3時間で終わったんですよ。安心しきっていました。話は(比較的)明るめで、主要登場人物の3人もとても楽しそうで。
個人的見どころは白い髪の少女の初登場シーン。えぇ、白状します。大好物でした。
でも正直、終わってみると印象が激しく薄い……。可愛いんだけどね。
思い返してみると、世界がひっくり返る瞬間の衝撃は此処にも用意されてましたね。

The second door

荒廃した屋敷に獣が住み着いた。酷く怯えていた獣はしかし、女中と屋敷を使って、残虐な性格を露わにしていく。
そしてある時、めしいとなって再び彼女は訪れた。獣と彼女は次第に心を通わせ、平穏を望むようになっていく。
そのすぐ後ろに、崩壊が迫っているとも知らずに……。


こちらも体験版でも読める第二話。全編を通して暗……、くありません。
恋人が死んだという女性ポーリーンの主観が逐次入るため、そのたびに明るい雰囲気になるためです。
あとめしいの少女、っていうのはたまらんね。白い髪の少女はやっぱり好きだったよ。
話的にはやや気に入らない点もあったけど、びっくりするぐらい陰惨な最期が好き。
ポーリーン主観最後のシーン、あのシーンを驚きと取るか否かはわかれると思いますが……、ありきたりとはいえうまく調理したなぁ……、と思います。

The third door

屋敷はやがて商人に買い取られた。彼は一人の妻を娶った。白い髪が特徴的な女性だった。
しかし彼女はやがて不貞を働くようになる。そして男は、次第に妻への愛を失っていった。
それを仲直りさせようと、女中の一人が動くのだが――


ここから先は体験版ではプレイできませんが、ここまではひとくくりにしなければならなかったんだ。
鬱度は確実に上がってきています。もはや、心の休まる瞬間などろくに存在しません。
登場人物の一人の黒いこと黒いこと。何といわれようと好きにはなれませぬな。好きだけど。
幸せなんてなかったんだよ。

The fourth door

魔物と呼ばれ、街から追い出された少女≪ジゼル≫。彼女は白い肌と白い髪、そして赤い瞳をしていた。
彼女はやがて一つの屋敷にたどり着く。そこには同じように白い髪と白い肌、赤い瞳を持つ男ミシェルが住んでいた。
魔女が棲むという屋敷で、呪われた二人は次第に心を通わせていく。


やけに短いと思ったんだよ! 畜生!
正直、体に触れると死ぬというミシェルの設定で返り血がジゼルにかかった時、やられたと思いました。
すごく、すごくあの瞬間は興奮した。
話は短めで、それでも印象に残る話です。何よりその設定が、うまい。


そしてここから先が本番です。ここまでが序章扱い。
正直もうそろそろ終わるだろって思ってました。甘かった……。ここまででも10時間弱はかかってます。
クリア後推奨。それぞれの話で空白開けていくので、本編を読みたくなってしまったらこのページを閉じてぜひ読むべし。なぜかって?

ここからの話はネタバレなしだと話せないからだよ!

























The fifth door

ミシェルは気づく。第四の扉で語られたことは偽りであることに。
そして魔女の忠告に耳を貸さずに、その真実を目にすることになる。
それは、ジゼルにとって、過酷で残酷な物語――。


断っておきますとここで言うジゼルと4章の≪ジゼル≫は別者です。
確かここまでで、EDリストが3つか4つ埋まったはず。そのせいでもっと早く終わると思ってたのもあるんですよね……。
偽りの物語である4章を、ジゼルの視点から再構築した物語。……ですが、もうこれは完全に別物です。
金に困った商人の娘と、妻がおかしくなって性欲を持て余す貴族。あとはまぁなんとなくわかるでしょう。
そんな経歴を持つジゼルが僻地に飛ばされ、そしてそこでミシェルと出会い。
喧嘩別れをしたのちに、親切な村人に助けられ。彼らも困ってしまい……。
これ以降の話の一つの中核になる話です。ストーリーの流れは基本的に4章に準じていますが、よりエグイです。
ちなみに私は嘘で塗り固められた4章の方が好み。さっぱりしてるし。
驚きこそないですが、やっぱり引き込まれる文章です。











次の章完全ネタバレしてるので注意。




































The sixth door

つづりがあってるのか不安になってきました。
あとこの辺から章の境界が曖昧になってきたのであらすじも書くのやめよう。疲れたとかそんなことはない!
館の女中、ことジゼルの真実を取り戻し、ミシェルは館の魔女へ挑みます。
しかし魔女を知るためと、魔女について問うたミシェルは、魔女の過去に打ちのめされることになります。
それは、次のようなものでした。

魔女は聖女呼ばれながら生を受けました。その誕生は雨を齎し、その血は病めるものに救いを齎しました。
ある時、聖女はその生みの母によって売られ、領主の元に連れていかれました。領主はその血を以て杯とし、客人をもてなしました。聖女の体は傷だらけになり、そして顔は醜く爛れ落ちました。
そんな聖女は反乱によって逃れることができ、娼館の一角に身を寄せます。反乱に加担した青年や娼婦に保護されながら、彼女は一時の安楽を得たのです。
そんな安息も長くは続きません。彼女の誕生日に盗賊が押し入り、またも彼女は奴隷として売られたのです。しかしその道すがら、彼女は同じく売られようとしていた男に助けられます。しかし、男は同じような奴隷たちを、彼女を除いて皆殺しにするのです。
聖女は湖の畔に新たな居を得ました。薬を売って日々の生計を立てるうち、一人の青年に出会います。妹が病に侵された彼のため、彼女はその身を再び削ることを決意しました。
そして長い月日がたった後、いろいろなことがあって青年があまり来なくなっていたとき。
久しぶりに訪れた青年とともに、あの殺人鬼の男が現れたのです。彼女は再び捕えられ、領主の元へと差し出されました。領主はその血を、<聖女の血>を病めるものに授け、寄付を得ようとしていました。
その街が豊かになり、感謝祭が開かれました。その正午の鐘とともに、聖女は息絶えます。
青年と、男と、領主を呪う言葉を残して。
そしてそれから間もなくでした。青年の妹が死に、<聖女の血>が<魔女の血>という噂が広がって、伝染病が流行りだしたのは……。

長いよ! もっと短く!
とまぁ悲劇の物語がこの章の中心です。
うん、正直興奮した。
3章までとここまで深いつながりが出てくるとは思ってなかったんだよ!
すごくながくて、いつ終わるのかとずっと呻いてたのもこの辺。でも、すごく引き込まれる。
いやだって血を飲むと病が治るって、すごく憧れるじゃん?
本当はかなり省略していて、特に聖女の心の動きを追っているとそれだけで満足できるんだけど、
すごく読み進めさせる文章で途中でとぎりたくなくなるんだよね。
聖女の苦痛と、絶望と、怨嗟と、呪いがすごくうつくしい。
個人的に、ここが一番嫌いな部分がなかったかもしれない。セブンスコートの時も嫌いなシーン、好きになれないは少なからずあったけど、長編だからかその数も結構多かった。
他の人がどう思うかはさておき、とても面白い章。






















The seventh door

ミシェルは魔女の元へとたどり着く。
そこにいたのは魔女とジゼルで、ジゼルは驚いた顔でこう指摘する。
ミシェル、あなたは男ではなかったのね。――気持ち悪いわ。




えぇ、一番嫌いなキャラクターはエメです。間違いない。
彼女によるミシェルの拷問シーンは胸が痛くなりながら、四天王好きなんだろうなーって思ってました。
私も好きだよ? する方なら。
まだ明かされていなかったミシェルの過去と苦悩を凝縮した章。個人的見どころは前述の拷問シーン。
……って書くとアレだけど。
一時は愛した人に虐げられ、父には悪魔だと処刑されそうになり、母は呪われた子として男として認めてもらえず、心情を吐露した次兄にはそれを裏切られ、愛したジゼルと家に戻りたいと告げた時に来たのは、兵を連れた長兄だった。
ミシェルの思いはこの章の中で誰にも受け入れられない。そんな苦痛。
ここまで来ると3章までの白い髪の少女の正体にも気づきますね。世界がまたもひっくり返ります。
事実が明かされることで驚きが待っている。そういう経験がこのゲームでは何度もあります。各章の最後の展開しかり、女中の正体しかり、魔女と3章までの関係しかり、そして白い髪の少女の正体もそれです。
それらが全て悲劇につながっていくのだから救われません。

















The last door

ミシェルはボロボロになったまま、魔女に挑みます。彼の目的は、魔女を、あの三人を、そして自分とジゼルを救うこと。
そんな彼は、魔女の、モルガーナの死の三日前に飛ばされ、一人の人間として彼女を救うために動き出します。


壮大な伏線回収章。そして最終章。あんぐりです。
わからなかったことが紐解かれるだけではなく、そうだと思っていた事実さえひっくり返っていく。
領主の真実がまさにそれです。
まぁここから先はネタバレしないこととして……。
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by aftschool-student | 2013-05-15 02:07 | 日記